トロイメライ(夢)~子どもの情景から
「トロイメライ」は「子どもの情景」の中の偉大なる「ひととき」です。
これらの曲は1曲ずつ弾いてもいいです。
でも、連作全体を弾くことによってはじめて最高感激が得られるのです。
「トロイメライ」は、バッハの「フーガ」のように複雑かもしれません。
でも、バロック的な意味における厳密な対位法ではないのです。
演奏者は個々の声部の掛け合いと個々の旋律の掛け合いに常に注意をしなければなりません。
連作子どもの情景の第1番「見知らぬ国から」のト長調からの第6番の「大変な出来事」のイ長調までは5度圏の#(シャープ)の調に沿ってきましたが、第7番で突然、b(フラット)が1つ付いた新しい響きのヘ長調に移ります。
そしてシューマンは、再びカノンの技法を用いています。
複雑に重なっている声部を注意深くみてみよう!!
ここではシューマンの基本のモチーフの6度を4度と置き換えているのではありません。
だがトロイメライは、4度から始まります。
〔暖炉のそばで〕(子どもの情景から)子どもの情景の第2部は、3つの曲からなっています。
ヘ長調のトロイメライと、トロイメライの変奏曲にも聴こえるヘ長調の暖炉のそばでとハ長調の木馬の騎士です。
ヘ長調という、調性はドラマティックで響きを与えたようだが、まったく突然の響きというわけではないのです。
5曲目に3度離れた関係の調性のヘ長調が示唆されていた。
この関係は、連作が進むにつれてさらに明らかになっていくのです。