トップページ >シューマン> 大変な出来事~子どもの情景から

大変な出来事~子どもの情景から

シューマンはこの連作の中で比較的複雑な曲を単純な曲の間に平均的に配置しています。
たとえば、「見知らぬ国から」が構成が単純です。
2番目の曲の「珍しいお話」では、概にモチーフが何回か変化したり複雑になったりしています。
「鬼ごっこ」と、「おねだりする子ども」はモチーフを比較的素朴に扱っています。
「満たされた幸福」では、複雑なカンジになっています。
そして、この曲「大変な出来事」はまた単純な曲になっています。
このように、より複雑に展開されたモチーフの曲が連作のあちらこちらに置かれています。
それらは、2番目の曲と、5番目の曲と、7番目の曲と、11番目の曲です。
さて、この6番目の曲の「大変な出来事」はさらに5度圏に沿って、イ長調にと進みます。
シューマンは、モチーフの取り扱いを繰り返すことはしないのです。
この連作のどの曲にも、彼の新しいアイデアや新しい形が見られます。
「大変な出来事」にも連作のこれまでのどの曲にも見られなかった要素があります。
それは冒頭の6度音程が4度を伴って和音として現れていること。
これは「大変な出来事」の1つではないだろうか。
6度と4度を伴う5音のモチーフがこの連作で最初に紹介されているのです。
この曲では、最初の和音として垂直になっています。
そして基本のモチーフの残りの3つの音は1小節目の高音部の旋律に続いているのです。
もう1つの「大変な出来事」は、2曲目から姿を消していた付点のリズムが戻ってきたことです。
付点のリズムは下行する音階の中に戻っています。